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卵巣がんに対する当科で実施可能な放射線治療

①少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

  • 腹部や骨盤内の再発、あるいは少数個(1~3個程度)の遠隔転移 (オリゴ転移を生じた場合に、薬物療法に加えて救済的な放射線治療を選択することが可能です。

  • 遠隔転移の部位は、肺や肝臓の転移、骨転移や鎖骨上・縦隔リンパ節転移などが対象となります。

  • 卵巣がんは放射線感受性が高いことが多く、治療した腫瘍の良好な縮小と長期の局所制御が期待できます。

 

②緩和的放射線治療

  • 腫瘍からの出血の止血疼痛の鎮痛、また骨転移に伴う疼痛や神経症状の緩和に有効性が高いです。

  • 緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。治療期間は2週間以内が多く、状況に応じて1回のみの治療も選択可能です。

  • 通院が困難な方は、放射線治療科で入院治療も対応させて頂きます

 

③脳転移に対する放射線治療

  • 脳転移を生じた場合に放射線治療が有効です。

  • 当院では、強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いた定位放射線治療(ピンポイント照射) が可能です。患者さんに負担の少ない短い治療時間で、脳転移の高い制御効果が期待できます。

 

④温熱療法 (ハイパーサーミア)

  • 当院では、卵巣がんに対して放射線治療や抗がん剤の治療効果を高める温熱療法を取り入れています。

  • がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパッドで挟み込み高周波電流を流して加温します。パッド内の液体を還流させ、皮膚表面の熱感や痛みを抑えます。

  • 1回の加温時間は40~60分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。

 

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