子宮体がんに対する当科で実施可能な放射線治療

①根治的放射線治療

  • 子宮体癌は手術療法が第一選択となりますが、高齢や合併症がある場合、又手術を希望されない場合などに根治的放射線治療を行います。小さな放射線の線源を子宮に短時間挿入する小線源治療(腔内照射)と、体の外から放射線を照射する外照射を組み合わせて行います。

  • 外照射から開始し1日1回、総25-30回 (5-6週間)行います。消化管や膀胱などの隣接する正常臓器への放射線の線量を低減する高精度な照射手法”強度変調回転放射線治療 (VMAT)”を用います。腔内照射は外照射開始後から3週以降に、週に1回、総3-5回行います。腔内照射では子宮に器具を挿入するため、鎮静剤や鎮痛剤を用います。毎回CT画像を撮像し、腫瘍の大きさに応じて放射線の分布を最適化する”画像誘導密封小線源治療 (Image-Guided BrachyTherapy:IGBT)”で行います。

 

② 手術療法後の再発予防を目的とした放射線治療

  • 手術療法を行った後に残存腫瘍がある場合や、再発リスクが高いものの抗がん剤を投与できない場合などに、放射線治療を追加します。放射線治療の追加により、再発を生じる確率が減少します。こちらでも高精度な強度変調回転放射線治療 (VMAT)を用いることで、晩期的な腸閉塞などの副作用の発症率を軽減しています。

 

③ 少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

  • 膣やリンパ節(骨盤内・腹部リンパ節)の再発、または少数個(1~3個程度)の遠隔転移 (オリゴ転移を生じた場合に、薬物療法に加えて救済的な放射線治療を選択することが可能です。遠隔転移の部位は、鎖骨上・縦隔などのリンパ節転移、肺や肝臓の転移、骨転移などが対象となります。治療した腫瘍の高い制御効果が期待できます。

 

④ 脳転移に対する放射線治療

  • 脳転移を生じた場合に放射線治療が有効です。当院では、強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いた定位放射線治療(ピンポイント照射)が可能です。患者さんに負担の少ない短い治療時間で、脳転移の高い制御効果が期待できます。

 

⑤ 緩和的放射線治療

  • 他の臓器へ多数個の転移を生じている状況では、緩和的な放射線治療が適応となり得ます。子宮からの出血の止血疼痛の鎮痛、また骨転移に伴う疼痛の鎮痛神経症状の改善といった症状緩和に有効性が高いです。緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。治療期間は2週間以内が多く、状況に応じて1回のみの治療も選択可能です。通院が困難な方は、放射線治療科で入院治療も対応させて頂きます

 

⑥温熱療法 (ハイパーサーミア)

  • 当院では、子宮体がんに対して放射線治療や抗がん剤の治療効果を高める温熱療法を取り入れています。がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパットで挟み込み高周波電流を流して加温します。パッ ト内の液体を還流させ、皮膚表面の熱感や痛みを抑えます。1回の加温時間は40~60分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。