top of page

膀胱がんに対する当科で実施可能な放射線治療

①膀胱温存療法

  • 他臓器への転移がなく根治治療の適応があるものの年齢や体の状態によって手術が難しい場合、又は手術を希望されない場合の治療選択肢として膀胱温存療法があります。

  • 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)で可能な限り腫瘍を切除した後に、放射線治療とシスプラチン等の抗がん剤治療を同時に行う化学放射線療法を行います。これは膀胱を温存し根治を目指す体への負担が少ない治療法です。

  • 抗がん剤の投与法として、より高い治療効果を目指して動注化学療法を行う場合があります。動注は、膀胱がんを栄養する血管にカテーテルを直接挿入し、高濃度の抗がん剤を腫瘍に投与します。

  • さらに、当院では、放射線治療の治療効果を高める目的の温熱療法の併用が選択可能です。

少数個の再発・転移に対する救済的放射線治療

  • 治療した膀胱や骨盤リンパ節の再発、または少数個(1~3個程度)の遠隔転移を生じた場合 (オリゴ転移) に、薬物療法に加えて救済的な放射線治療を選択することが可能です。

  • 遠隔転移の部位は、肺や肝臓の転移、腹部・縦隔・頸部リンパ節転移、骨転移などが対象となります。治療した腫瘍の高い制御効果が期待できます。

③脳転移に対する放射線治療

  • 患者さんに負担の少ない短い治療時間で、脳転移の高い制御効果が期待できます。

 

④緩和的放射線治療

  • 膀胱温存療法が適応とならない場合や他の臓器へ転移を生じている状況では、緩和的な放射線治療が適応となり得ます。

  • 膀胱がんからの血尿や排尿障害の改善骨転移に伴う疼痛の鎮痛といった症状緩和に有効です。

  • 緩和的放射線治療に必要となる放射線量は少ないため、治療に伴う副作用は軽微です。通院が困難な方は、放射線治療科で入院治療も対応させて頂きます

⑤温熱療法 (ハイパーサーミア)

  • 当科では、膀胱がんに対して放射線治療や抗がん剤の治療効果を高め温熱療法を取り入れています。

  • がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパットで挟み込み高周波電流を流して加温します。パッド内の液体を還流させ、皮膚表面の熱感や痛みを抑えます。

  • 1回の加温時間は40~60分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。

bottom of page