研修・教育
当科では、単に放射線を照射するだけではなく、がん診療全体を理解し、患者さん一人ひとりに最適な治療を提案できる放射線腫瘍医の育成を目指しています。
根治治療から緩和治療まで、全身のがんを対象に、放射線治療のみならず、薬物療法・緩和ケア・画像診断・IVRを含めた幅広い臨床修練を行います。
放射線治療は、多くのがんで根治を目指せる一方、痛み・出血・神経症状などの症状緩和にも大きな力を発揮します。患者さんの人生のさまざまな局面に関わることができる、非常にやりがいのある分野です。
当科では、本学・他大学卒業生を問わず、幅広い臨床経験を積むことのできる研修プログラムを用意しています。

充実した修練が可能なプログラム
近年、放射線治療は著しく高精度化し、低侵襲で優れた治療効果が期待できる治療法となっています。
その適切な実施には、放射線生物学・放射線物理学への理解に加え、各種がんの病態に応じた治療戦略を学ぶことが重要です。
また、薬物療法(殺細胞性抗がん剤、分子標的薬、免疫療法)や緩和ケアを含めた集学的治療を経験することで、がん診療全体を俯瞰できる腫瘍医を育成します。
当科では、がん診療のさまざまな場面で最適な放射線治療を実践し、治療後も患者さんに寄り添える医師の養成を目指しています。
・研修で経験できる症例
肺がん、食道がん、乳がん、頭頸部がん、婦人科がん、泌尿器がん、消化器がん、脳腫瘍、造血器腫瘍など、全身のさまざまながんに対する放射線治療を経験できます。
根治目的の化学放射線療法、再発・転移病変に対する治療、骨転移や脳転移、腫瘍出血、神経圧迫症状などに対する緩和的放射線治療まで、幅広い症例を通して放射線腫瘍医として必要な診療能力を身につけます。
強度変調放射線治療や定位放射線治療などの高精度放射線治療についても、適応判断、治療設計、線量評価、治療後フォローまで一連の流れを学ぶことができます。
・専攻医が関わる業務
専攻医は、指導医のもとで、初診時の診察、病歴・画像所見の確認、治療方針の検討、放射線治療設計、治療中の診察、治療後の経過観察に関わります。
治療設計では、治療計画用CTに加え、MRI、PET、診断用CTなどの画像情報を統合し、病変の広がりや周囲臓器との位置関係を評価します。そのうえで、標的体積やリスク臓器の輪郭入力、照射方向、照射範囲、線量制約、線量分布の作成・評価まで、医師が主体的に関わります。
特に、高精度放射線治療では、腫瘍制御と正常臓器の保護を両立するため、線量分布の設計段階から医師主導で治療計画を作成します。専攻医は、画像診断、解剖学、放射線生物学、放射線物理学の知識を臨床に結びつけながら、症例ごとに最適な治療計画を検討する力を養います。
当科では、治療前の適応判断から治療後の経過観察まで、放射線腫瘍医が主体的に関わることを重視しています。治療効果や有害事象の評価、再発・転移の早期発見、その後の治療方針の検討にも継続して関わり、「照射して終わり」ではなく、放射線治療をがん診療全体の中で活かし続ける診療文化を育てています。
また、各診療科からの依頼に基づく治療だけでなく、患者さんの病状、治療歴、全身状態や画像を踏まえ、当科から積極的に放射線治療の適応を提案することも重視しています。がん診療全体の中で放射線治療が最も効果を発揮できる場面を見極め、適切な治療提案を行う力を身につけます。
病棟業務では、入院中の患者さんの全身状態の評価、放射線治療中の副作用管理、疼痛や栄養状態への対応、合併症管理、退院調整などを経験します。根治目的の治療だけでなく、症状緩和を目的とした入院症例にも関わり、患者さんの生活背景や治療目標を踏まえたがん診療を学びます。
病棟やカンファレンスでは、看護師、緩和ケアチーム、各診療科と連携しながら診療を行います。放射線治療の専門性に加え、全身管理、支持療法、緩和ケア、多職種連携を含めた実践的な臨床能力を養います。
本プログラムは、日本専門医機構の放射線科領域専門研修プログラムに準拠しており、放射線診断領域についても放射線科と連携して早期から臨床修練を行います。
興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。見学も随時歓迎しております。
アドレスは j-houchi@mbox.clnc.uoeh-u.ac.jp です。
または、大学代表電話(093-603-1611)から放射線治療科 内線8524までご連絡ください。
個人情報は適切に保護致します。

